日本学術振興会 科研費補助事業 基盤研究(S)
令和4年度~令和8年度
沈み込み帯のCO2流体の発生とマントル炭酸塩化の実態
研究概要
地球表層の炭素は,プレートの沈み込みによって、表層から地球内部へ持ち込まれています。中でも、マントル岩石は表層のCO2を固定することが知られおり,オマーンに露出するマントル岩体などでは山全体が炭酸塩化しています。しかし、CO2を吸収する反応は岩石が膨張する反応であり、目詰まりせずに効果的に進行するプロセスはまだ謎のままです。さらに、沈み込み帯の島弧などの深部マントル(マントルウェッジ)において、CO2固定化の実態はいまだにほとんど分かっていません。近年、マントルウェッジにおいて特徴的なスロー地震も報告されていますが、CO2流体は沈み込み帯の地震に影響を及ぼすかもしれません。
本研究では,プレート沈み込み境界のマントル岩体の炭酸塩化の実態を調査するとともに,地球表層近傍とマントルウェッジに対応するそれぞれの条件でマントル岩石の炭酸塩化実験を行います。特に、流体組成への反応の応答に着目することで,岩石の破壊・空隙形成と元素移動を伴うマントルへのCO2固定の本質的なメカニズムを明らかにしたいと考えています。その上で,沈み込み帯でのCO2流体の発生・マントル岩石との反応が炭素循環に与える影響と,反応性CHO流体とプレート境界の地震・非地震性滑りをつなぐ現象モデルを提案したいと考えています。 詳しくはこちら
ニュース
アクティビティー・研究実績
メンバー
岡本 敦
研究代表者
(東北大学大学院 環境科学研究科)
武藤 潤
研究分担者
(東北大学大学院 理学研究科)
エム サティシュクマール
研究分担者
(新潟大学 自然科学研究科)
平内 健一
研究分担者
(静岡大学 理学部)