神戸大学の大森敏明准教授、大学院生の鈴木聖惟さん、名古屋大学の道林克禎教授、東北大の岡本敦教授らの岩石コアのスパース超解像に関する論文がScientific Reports誌にpublishされました。私たちの視覚系では自然画像は少数の基本画像による圧縮表現されています。機械学習の1つであるスパース超解像では,高解像度においてできるだけ少数の(スパースな)基底で表す学習を行い,その基底を使って低解像度で超解像を実現するものです。本論文は、この技術を岩石コアのX線CTに適用することで、地球科学のもつスケールの壁をブレイクする試みたの第1歩と言えます。このスパース超解像により、蛇紋岩のマクロな亀裂から、ミクロなメッシュ組織までを詳細に再構成することができるようになりました。今後、異なるX線CTスキャナを跨いで、基底を学習することができるようになれば、掘削船「ちきゅう」などに装備されている医療用CTスキャナでのkmスケールの岩石コアのX線CT画像と、実験室でのマイクロスキャナを繋いで、地下のビッグデータを構築できる可能性があります。
Omori T, Suzuki S, Michibayashi K, Okamoto A
Super-resolution of X-ray CT images of rock samples by sparse representation: applications to the complex texture of serpentinite. Scientific Reports 13, 6648