論文が受理されました : Oyanagi et al. (2021)

【論文の概要】
2017年に岡本が参加した有人潜水調査船「しんかい6500」による潜航調査により、伊豆・小笠原海溝の水深6,400メートルの陸側の斜面が、炭酸塩の脈を多く含む、マントル岩石であることを明らかにしました。炭酸塩の同位体、化学組成、組織の解析から、数万年以上かけて海水が前弧マントルを滞留し、最終的には破砕により数十年以内の短期間で噴出したことを明らかにしました。これは、全地球の炭素循環に影響を与える新しい炭素リザーバーを示唆するともに、最も深い海底で起こる、最も浅いマントルと海水との相互作用の詳細な描像を明らかにしたもので、今後、生命活動との関係の解明も期待されます。

【論文情報】
Ryosuke Oyanagi, Atsushi Okamoto, Madhusoodhan Satish-Kumar, Masayo Minami, Yumiko Harigane, Katsuyoshi Michibayashi
“Hadal aragonite records venting of stagnant paleoseawater in the hydrated forearc mantle”
Communications earth & Environments

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