M2松野哲士、宇野助教,岡本教授の論文がプレスリリースされました!
【発表のポイント】
- 変質・変成した玄武岩から、元の玄武岩の化学組成を復元する原岩組成復元モデルを開発。
- 全球の玄武岩の化学組成データをもちいて、元素濃度の相関を機械学習の一種である勾配決定木により学習。
- たった4つの元素の濃度から、12元素の濃度を±25%で推定可能。
- 海洋底の熱水変質作用や沈み込み帯の変成作用など、地球内部の元素循環の解明に繋がると期待される。
【概要】
岩石の化学組成は、地震や地熱活動、鉱床形成など、地球内部の岩石と水との化学反応のプロセスを記録しています。岩石からこうした地化学プロセスを抽出するためには、変質する前の「原岩」と比較して、岩石が被った元素移動量を明らかにする必要があります。しかしながら、多くの場合「原岩」の直接採取はできないため、元素移動量の解析は特殊な場合に限られていました。
東北大学大学院環境科学研究科の松野哲士(修士課程2年)および宇野正起助教の研究グループは、変成した玄武岩から元の玄武岩の化学組成を、機械学習をもちいて復元する原岩組成復元モデルを開発しました。この方法では、元素組成が改変されていない「不動元素」をたった4つ与えることで、12元素の濃度を±25%で復元できます。この原岩組成復元モデルは、これまで「原岩」のわからなかった様々な岩石に適用することができるため、固体地球内部の元素循環の統一的な評価につながると期待されます。
本成果は、2022年1月26日、ネイチャー・リサーチ社が発行する科学誌Scientific Reportsに掲載されました。
【関連リンク】
プレスリリース本文:https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/02/press20220210-01-machine.html