本課題の研究協力者の名古屋大学大学院環境学研究科の道林 克禎 教授は、国立大学法人東京海洋大学の北里洋博士らとの共同研究で、日本周辺の超深海海溝域の調査を実施し、8 月13 日に小笠原海溝の最深部9801m に潜航しました。
今回の調査は、日本周辺の超深海海溝における地質と地形および超深海の生物観察を目的として、フルデプス有人潜水船リミッティングファクター号注2)(母船プレッシャードロップ号)による海溝最深部調査(Ring of Fire Expedition 2022)の一環として実施されました。
今回の水深9801m までの潜航によって、佐々木忠義教授(東京水産大学)がもつ最深潜航記録を60 年ぶりに更新しました。
海溝はプレートと共に堆積物が沈み込む入り口で、その陸側の最新部には最も浅いマントルウェッジが露出しており、深海底である海溝の物質科学的研究は炭素を含めた物質循環を理解する上で非常に重要になります。