論文が公開されました!Mindaleva, Uno et al. GRL

岩石中の鉱物脈を形成した流体活動の時間・流量・マグニチュードから,スロー地震との関連を示した論文が,Geophysical Research Lettersに出版されました!!

地殻中の一枚の亀裂(鉱物脈)中を流れた流体量とその継続時間,そして誘発されうる地震のマグニチュードの関係が,スロー地震の継続時間とマグニチュードの関係と一致することを明らかにしました.一枚亀裂に流体が流れることで,スロー地震が誘発される可能性を示したものです.

宇野は責任著者の一人として,研究手法の開発や論理の構築を担当しました.

Mindaleva, D.*, Uno, M.*, Tsuchiya, N.* (2023)
Short-Lived and Voluminous Fluid-Flow in a Single Fracture Related to Seismic Events in the Middle Crust
Geophysical Research Letters, 50, 5, e2022GL099892.

上)高温変成岩(グラニュライト,茶色)中に発達した鉱物脈(角閃石脈,黒色).地殻物質が破砕されて,その亀裂沿いに流体が流れた痕跡.
下)鉱物脈の偏光顕微鏡写真.亀裂は角閃石で充填されていること,亀裂沿いにせん断変位があることがわかる.450℃程度の高温下で流体がながれ,地震性の滑りがあったことを示す.

地震モーメントと継続時間の関係.本研究(This study):鉱物脈から見積もられた流体活動の継続時間と,その流体量から推定された誘発されうる地震モーメント.他のプロット:スロー地震(Slow slip, LFE, SSE等)および通常地震(Regular earthquakes)の継続時間ー地震モーメント.本研究の鉱物脈は,スロー地震の継続時間ー地震モーメント関係に一致する.

Geophysical Research Letters

ResearchGate