2024/2/19-21にかけて兵庫県佐用郡佐用町光都に位置する大型放射光施設であるSPring-8にて、岩石試料の粉末X線回折データ(PXRD)の測定を実施しました。今回の測定は、2023B第Ⅲ期の大学院生提案型課題(課題番号:2023B2108 )に採択され、松野が実験責任者として実施させていただきました。
ビームライン:BL19B2(6シフト=48時間)
実験参加者 :
東北大:松野哲士(東北大学環境・D2)星田 昌慶(東北大学環境・土屋研M1)、原田 浩伸(東北大学理学・辻森研D2)
愛媛大:福井 堂子(愛媛大学・斉藤研M2)、谷脇 由華(愛媛大学・斉藤研M2)、齊藤 哲(愛媛大学)
左:今回測定に使用した多目的ハイスループット回折計 中央:一度に試料を最大100試料セット可能です 右:PCから自動測定の操作をします
放射光PXRDは、実験室PXRDと比較して、短時間で高品質・高解像度のデータを取得することができます。今回の測定にあたっては、ビームライン担当者様(JASRI大坂さん)と相談する中で、予定の試料数よりも大量に試料を測定できることが分かりました。そのため、所属するGP-EESの同期でもある辻森研・原田さん、花崗岩若手の会で知り合った愛媛大学・福井さんに相談し、測定に相乗りいただきました。また、その他にも岡本・宇野研、辻森研、斉藤研の試料も含めて準備しました。
最終的に今回の測定では、合計で743試料のPXRDデータを取得することが出来ました。今回測定させていただいたBL19B2では、測定の自動化が特に進んでおり、自動試料交換・センタリングのお陰で、非常に効率よく測定を進める事が出来ました。また、データの品質には驚かされました。特に星田さんの試料では、実験室PXRDのデータで解析に苦労していましたが、データを見た瞬間「解像度やばいっす」と言う星田さんがとても印象的でした。ピークの半値幅が改善されることで、ここまで測定データの世界観が変わるとはビックリでした。
そしてなにより、愉快な仲間と測定する、とても楽しい3日間でした!今後、秋の学会を目指して解析を進めていく予定です。
48時間測定後の集合写真
松野の提案に乗ってくれた原田さん、福井さん、また快く協力してくださった愛媛大の斉藤さん・谷脇さん、東北大の星田さんには感謝です(皆さんの協力のお陰で48時間の測定を乗り切ることが出来ました)。特に原田さんには、試料準備から当日まで、多くの場面で助けてもらいました(松野のルーズな部分を原田さんがサポートしてくれてくれました笑)。
ビームラインの担当者であるJASRI大坂さんには、測定前の相談から測定まで、非常にお世話になりました。装置の使い方に加えて、作成された秘密道具(?)や装置の基本原理までの数々をご紹介いただき、最前線の装置に触れ合う貴重な機会をいただきました。改めまして感謝します。
左:大坂さんから最初の装置の操作方法について説明を受ける我々 右:ほぼパンフレット写真な我々
参考:https://user.spring8.or.jp/ui/wp-content/uploads/sp8_2023b_performed_j.pdf