岡本教授とEdward Vinisさんのシリカ析出実験に関する論文がNature Communications 誌から出版されました。
Atsushi Okamoto, Edward Vinis (2025) Oscillations in fluid pressure induced by silica precipitation in a fracture. Nature Communications, 16, 1791.
https://doi.org/10.1038/s41467-025-57199-6
地震発生と流体圧の関係は大きく関係していると信じられてきましたが、シリカ析出ー流体圧上昇ー破壊という関係は、実験的にも、天然でも実証されたことはありませんでした。この研究では、花崗岩スリット中にシリカを析出させる流通式水熱実験を行い、亀裂がシリカによって閉塞するとともに、特徴的な流体圧の振動が起こることを示しました。また、そこでできる、人工的な石英脈の組織とは天然の熱水性石英脈とよく似ており、天然の高温の地殻でも同じような現象が起こっている可能性があります。つまり、本研究では、「断層バルブモデル」が実際に起こることをある意味で実証したと言えます。
