日本学術振興会 科研費補助事業 基盤研究(S) (令和8年度~令和12年度)
研究概要
大気中の温室効果をもたらすCO2は、マントルの超塩基性岩に対して高い反応性を持ち、岩石中のマグネシウムやカルシウムと反応して炭酸塩鉱物として固定される。この「マントル炭酸塩化」プロセスは、地球の炭素循環を支えるだけでなく、プレート境界や地殻深部の岩盤の強さや滑りやすさを劇的に変化させる要因でもある。これまでの基盤(S)課題により、この反応が広範な条件下で進行し、流体の状態により生成物の性質が大きく異なることがわかってきた。しかし、反応・力学・流体流動がどう影響し合い、地殻の不均質な構造を作るのかは全くわかっていない。本研究では、先端的な実験装置と、天然岩石の観察、数値モデルを統合し、自然および人為的なCO2流体の注入による固定化プロセスとその力学的・水理学的応答を明らかにする。これにより、岩石ー流体反応と地震活動をつなぐ新しい断層モデルを構築するとともに、新しいCO2鉱物固定法の原理を提案する。