南極調査南極調査

多くの環境問題、災害に対する脆弱性が顕在化してきた現在、私たち人間が存続していくためには、「地球」をよく知り、調和した社会を構築していく必要があります。私たちの研究室は、フィールド調査、最新の実験、解析技術を駆使して「岩石」という記録メディアから「流体」を介した地球内部の反応・物質輸送システムを読み取り、地圏―水圏―生命圏の相互作用、地殻流体と地震発生のメカニズムの謎に迫り、新しい鉱物資源・地球のエネルギーの有効利用のための評価、予測を進めています。

地球システム

人類の歴史において、現在の日本ほど、地球がアクティブな時代はなかったかもしれません。地球内部の営みは、私たちの人類の取り巻く表層環境と相互作用して多大な影響を与え、有用な資源やエネルギーを生み出す一方、ときに地震や火山などの大きな災害をもたらします。

私たちの研究室は、地殻やマントルを動的なシステムとしての特性を理解し、そのアクティブな地球と調和する人間社会のあり方を考えていきたいと思っていきます。

岩石ー流体相互作用

その重要な鍵が、地殻やマントルに様々な形で存在する「流体」です。固体である岩石では非常にゆっくりとした化学反応や物質輸送が少量の流体が関与することで劇的に変化します。このプロセスが、全地球の物質循環や地震発生にとっても重要であり、かつ、地熱エネルギーや鉱床形成を理解する鍵を握ります。

私たちは、岩石―流体相互作用について、野外調査、水熱実験、数値シミュレーションなどのいろいろなアプローチで徹底解剖し、地圏環境の評価・予測と有効利用を目指します。

未知への挑戦

しかし、私たち人類はロケットで月に行くことはでき、はやぶさで小惑星の岩石をとってくることはできても、いまだに数キロメートルの地下にいくことはできません。つまり、地下には圧倒的に未知なフロンティアなのです。

地圏環境は

  • 岩石や土壌は高次元データを保持している.
  • プロセスが岩石組織などの凍結されたパターンに記録されている.
  • ノイズが大きく、データがスパースである.

というような特徴を持っています。

このような難しい問題にチャレンジするために、実験室で地球内部の環境を再現するとともに、機械学習アプローチなどを用いたデータ駆動科学によってその不確実性の大きなデータを結びつけていきます。

研究室のスタイル

コアタイム: とくに指定はしていません
ゼミ: 週一回、土屋研究室と合同. 論文紹介や研究の進捗発表を行う.
必要に応じて、担当教員・学生同士でのディスカッション.