モンゴルで高圧変成岩の地質調査!(宇野)

8月6日〜19日,宇野は卒業生のマンザさんやウンダルマさん,土屋研のメンバーとともにモンゴルで地質調査にいってきました.

アジア大陸のど真ん中に位置するモンゴルは,シベリア地塊と北中国地塊が衝突してできた大造山帯,中央アジア造山帯の中心部です.地球内部の岩石である変成岩が各所に露出しています.今回は,中でも地下70km以深から出てきたエクロジャイトをはじめとした,高圧変成岩の調査を行ってきました.

博士論文のフィールドで生き生きするマンザ.足元はエクロジャイト,川の向こうは砂漠.

めちゃくちゃ新鮮なエクロジャイト!赤色の粒はガーネット(ざくろ石),黄緑色はオンファス輝石.地下70 kmより深いところから上昇してきた宝石のような岩石です.

ガーネットーオンファス輝石ー石英脈!!沈み込み帯の深部の岩石の破壊,すなわち地震と流体活動を記録しているはず.こんなにきれいなエクロジャイトが地表まで上がってくるのは世界的にも珍しいです.

これはエクロジャイトの隣に露出している蛇紋岩(マントルの構成岩石)が二酸化炭素と反応してできた岩石.タルクーマグネサイト岩.白色がタルク,茶色のひし形の結晶がマグネサイト(MgCO3).地球深部の炭素循環を担う,とても大事な岩石です.

キャンプサイト全景.調査の大半は野外キャンプ生活でした.

キャンプ飯は,卒業生のモンゴルチームの手厚いサポートで.この日はドライバーさんたちがラムのスペアリブの石蒸し焼きをつくってくれています!!

どこまでも続く地平線と

足元に伸びる長ーい影.

キャンプファイアと天の川

フレッシュなエクロジャイトや蛇紋岩とその反応帯など,沈み込み帯の深部の岩石がほぼ,手つかずにかつ全面的に露出している学術的に貴重なフィールドでした.そしてモンゴルは自然も人も美しい国です.心も洗われたフィールド調査でした.